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香川医科大学白菊会の発足18年をかえりみて

 

香川医科大学白菊会

 

香川医科大学白菊会は、自分の遺体を香川医科大学へ無条件で提供することを生前から予約、登録している方々で組織する団体である。白菊会は、昭和53年開学決定と同時に大学関係者や初代村上理事長・笠井・加藤・和田氏等の発起人で財団法人香川医科大学設置協力会内に発足、翌年54年3月に正式に香川医科大学白菊会として設立された。
大学開校時の白菊会会員は、僅かに75名であり解剖体の確保は緊急事であった。関係者は県民誘致「医大設置」の重責と感じて東奔西走、開校年度に91名の入会を手始めに努力を重ね、開校の5年後には会員数580名と順調に増えていった。この間、昭和58年には待望の「献体法」の制定等の施策が続き、献体に対する人々の認識、理解が深まったのではないかと考えられる。その後も会員は順調に増え続け、15年後の平成6年度には2,000名を突破、その後も年間150名前後の増加が続き、現在では2,300名を突破するいう輝かしい成果を挙げることができた。その影には、大学当局の積極的な啓蒙活動や故前川代議士、故前川知事等著名な方の入会・成願といった影響が大きいと考えられる。解剖体の確保は、当初一般の遺体を含め学生8人に1解剖体という苦しいスタートであったが、5年後には会員の成願者も年間20名を越え、解剖体に占める篤志体比率も50%を確保した。10年後の平成2年度には念願の成願者50体を数え学生2人に1解剖体となった。以後、現在まで篤志体比率は100%を達成し、まさにベストの状態が続いている。
白菊会の将来像としては、生存会員のますますの増加と会員の高齢化、それに伴う成願者の増加が予想されている。既に最近は年間50体以上の献体が行われており、そのため献体のあり方の一つとして高学年においてまた、臨床研究のために遺体を使用したならば、大学の遺体収容能力の問題や遺骨の早期返還という御遺族の希望に応えることができ良策ではないかと考えている。また現在、白菊会の会員数もかなりの数となっているため、一層のコミニュケーションを計るためにもできるだけ多くの会員が総会や慰霊祭等の行事へ参加していただき、そのためにも機関誌の内容充実を計り、行事に参加できない会員においても相互の共通の接点として機関誌を有効に活用していただければと考えている。
私たちは天寿を全うした後も医学の進歩のため、ひいては後世の人々のために自らの体を提供することを目的として白菊会に加入している。志を同じくする方々とともに健康で幸福な天寿を全うすることができれば、死後においても人類社会のために貢献できると考えている。教育のため研究のため是非とも有効に遺体を活用していただきたいと願うしだいである。
(理事長 松本茂喜)

 

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